2024年12月28日(土)稽古納2025年1月4日(土)稽古始、今年の所信表明

2024年12月31日

2024年の振り返り 視野の広がり、長尺居合刀の学び、間の捉え

今日の空と富士山。
fuji3

たなびく雲と夕日が重なり、見事なコントラストをつけていた。
空は毎日違う絵画を見せてくれているようで、毎日感動させてくれる。

稽古納が終わり、袴の洗濯をした。
通常着けている濃紺袴と、主に演武会等で着ける白袴。
洗濯すると、どうしてもひだの折れ目が緩くなってしまうため、アイロンをかける必要がある。
干す前の濡れた状態で、テカテカしないようにできるだけ裏から、あまりこすらないようにかける。
きれいに広げて重ねた状態でいっぺんにかけらればよいが、うっかり違うところが折れてしまうと大変なので、袴の布を回しながらひだ1つ1つかけている。
心を込めて、、、やれればよいが、面積が大きくて折り目が多く、とにかく時間がかかるので、必死にやるので精一杯。
腰に近いところは折り目の応酬で、間違えないよう神経を使う。

最近、袴腰の在り方、と腰に着目した稽古も行っており、袴は古武道を行う上で重要な役割を果たしている。
袴のキュッとした締め上げで、身体が整い、スイッチが入る感覚もある。
歩くとき、座るとき、足捌き、袴捌きの勉強にもなる。
稽古を終えて袴を畳むとき、これも丁寧に行うことでひだが美しく保たれる。
畳むところもおそらく稽古の1つなのだろう。
袴は種々の心得を教えてくれる非常にありがたいものなので、心してアイロンがけをしたい。
(が、やらなくて済むならそうしたい。。。)


2024年の振り返り
稽古全体としては、打ち込む間を捉える、視野を広げる、ということを中心に行ってきた。
視線を上げて広く前を見ることで、自ずと構や動きも大きく楽になり、間も感じられる。
重点的に思い返したのは、長尺居合刀と間について(詳細は下記)。
来年は課題がいろいろあるが、特に打太刀の打ちの在り様を詰めていきたい。

長尺居合刀
宇宙をイメージして青を基調に作ったが、結果的には深い沼だった気がする
(縁金のカニも星座ではなくサワガニ、鍔の月も水面に映るものだったなあと)。

長尺居合刀はもともと興味があり、何か学べるかな、と軽い気持ちで購入を検討した。
オーダーすることになり、長尺としてよくある2尺8寸をお高く作るのもなあと、差別化を図るため2尺8寸5分で頼んだ。
結果的に、背の低い私にとってこれが絶妙な長さで、頑張れば抜けるギリギリ。
とにかく始めは抜くだけで大変、うっかり袴をきつめに履こうものなら絶対に抜けない、緩くしてもある程度の制約が入るので、鯉口をひっかけないと無理だった。
納刀はさらに大変で、頑張らないと入らない。
納めなくてはいけないつらさを思うと、抜くのを躊躇するほどだった。
とにかく全身を使って抜かなければいけず、しかも重くて振るのも全身、納刀も全身、とさぼらせてもらえないため、居合が苦痛になりかけた。
それでも徐々に慣れてきて、長いものを抜くことが、抜けることが少し楽しくなってきた。
思い切って抜けない分、丁寧に抜ききるということを学んだ。
数か月やったらある程度慣れて元の長さに戻すという目論見は外れ、結果的に1年以上抜き続けることになってしまったが、得るものは大きかった。
もともと使用していた2尺5寸と同じような抜きができることを目指していたが、とても同じように早く抜くことはできなかった。
しかし、目指す必要はなく、今までかなりサボって手だけで抜いて早さを出していたことは身に染みてわかった。
来年2尺5寸に戻した時に、今の感覚で抜いていけるか、気を引き締めていきたい。
全身を使う感覚は、剣術や杖、柔術など他の術にも生かされてきたと思う。
結局2尺8寸5分を使いこなすまではいけなかったが、今の実力ではここまでだと思うので、他の面で向上させて、また戻った時にどんな抜きができるか、楽しみである。
今回ここまで来れた、と思えるまでできたことはありがたい。

間の感覚
常に対人では、間が近い、届いてない、といったことが問われる。
そこで空間的な間を詰めるため、今年の後半は各人がどこまで届くか確認することを念頭に稽古を構成してきた。
今年だけでは全然やり遂げられておらず、発展途上なため、継続していきたい。
さらに、時間的な間について考え始めたが、これは空間的な間と等価で、実はないのではという考えに至った。
しかし、同じ距離になるにしても、緩急、等速など、果たす役割は大きいことに気づき始めた。
見えない動き、捉えにくい動きとは、速い動きではなく早い動き。
早い動きとは?
この辺を詰めていきたい。

静稽会の根岸先生が書かれた静稽録の中で、所作について言及されており、その中でも早さについて触れられていた。
 
所作も大事な稽古、身につまされる言葉である。
早さは計って決められるものではなく、美しい所作をするうえで、しかも人それぞれ決まってくるのでは。

ただ、間の行きつく先は、空間、時間、どちらでもよく、自分を取り巻く時空すべてを受け入れて、違和感なく動く、いや違和感とかも関係なく、すべてを巻き込んで動けるように、動きたいように、心が開くように、すべてが開くかのように、しかし確たる己を感じて動ければよいのかもしれない。

自分の理想に向かうには、それなりの稽古を積まないことには机上の空論になってしまうため、精進していきたい。

今年はますこさんが年始は体調を崩して大変だったが、11月11日にすべての居合の型を抜くという目標を掲げて実践したことに感銘を受けた。
実際、年末発表会の居合の斬りが鋭くなっており、稽古は裏切らないことを魅せつけられた。

今年もいろいろと考えさせられる1年でした。
ありがとうございました。

でんこ


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