2023年09月26日
高が牛乳パック斬りと言う勿れ
先日の土曜は祝日でしたので、いつもですと稽古は休みなのですが、でんこさんの鶴の一声で久しぶりに試斬会を開催しました。
試斬といっても、畳表などを用意するのはなかなか準備も大変ですし場所もないので、当会では基本、牛乳パックを斬ることで太刀筋と刃筋、剣体の一致の確認をおこなっています。
この牛乳パック斬り、実はわたくしちょっと苦手です。
というのも、調子がよい?時はけっこう楽に斬れるのですが、斬れない時は、なんで~っていうくらい斬れなくなります。
一方、でんこ師範代は昔から安定して上手く、というか得意です。
以前は1本の牛乳パックを5回くらい輪切りにして、これ見よがしに私に見せてくれたこともありました。
「試斬は、出来ているかいないかの結果が見える形でハッキリ出るからいいんだよね。」なんてことも言ったりします。
くそぉ~
急な告知だったにもかかわらず、7名が参加。けっこう集まってくれました。
当会では基本の斬りの太刀筋を、斬り素振りと称して普段稽古しています。
いわゆる押切なのですが、この太刀筋は実際に斬れるようになってはじめて、なるほどなあと分かるところがあって、素振りだけしていてもピンとこないところがあります。
この日、結局私は手本らしい手本を見せることができない体たらくで、安定してスパスパ斬るでんこ師範代に指導は任せっきりになってしまいました。トホホ…
参加してくれた会員の中には初めて試斬を体験する方も数名いて、みなさん苦戦していましたが、最後には斬る感覚を数名が体験できました。
会の主催者としては自身の不甲斐なさにけっこう本当に落ち込んだのですが、そうも言っていられないので、師範代と自身の違いを映像で確認、研究することに。
でんこ師範代の斬りを拝見すると、剣先から後ろ足の踵、つま先までが一繋がりとなり、前に突っ込むことなく自然と剣に体が乗っている様子が見て取れました。
対して私の斬りは、一見太刀筋にも大きな遅れや乱れはなく、全身もゆるんでいるのですが、そのゆるみが下半身の居つきとなって、結果全身の繋がりが切れて手振りに近い形になっているのが分かりました。
翌日、自宅で検証すると、ダメダメだった昨日よりはかなり斬る感覚が出てきました。
バシッとかボスッといった撲殺系の斬り?が、パンっという感じで前方に飛びながら斬れる感じになってきました。
それでもまだ、少し速く振ることに頼った無理な感覚があり、でんこ斬りからは遠い感じです。
新調した少し重めの真剣を初めて用いてみましたが、斬ることはできても試斬用の真剣との違いを感じるほどではありません。
そうこうしていると、隣の部屋に居たでんこさんが(うるさいなぁ~)という面持ちでやってきて、ちょっとその新しい真剣で斬らしてみな。とのこと。
お願いします。と手渡すと、重たいねと言いながら、確かに重たそうに2回ほどゆったり素振りをして、それからやっぱりゆったり、フワッと斬りました。
すると、”ふぁさっ”といって音もなく両段された牛乳パックがその場にポトって落ちるじゃないですか!
「え~マジかぁ!いや、ホントに上手いね!!」
思わず叫んでしまい、もう一回お願いします。とリクエストすると、やっぱりフワッ、ふぁさっ、ポトっでした。
この刀だから?いや同じだよ、試斬用のだってそれなりに重いわけだし。とのお言葉。
いやぁ~、自分の工夫は置いておいて、先ずは今目に焼き付けた姿の模倣だと思い直して、剣に委ねてふわっと斬ると、ふぁさっ、まではいかないけれど、ぱさっという感じで斬れました。
これだ!ということで、試斬用の軽めの真剣で斬ってみると、やはりぱさっという感じで斬れました。斬っておきながら、オ~と驚いてしまいました。
最近ご指導を受ける機会のあった尊敬する空手の先生が、武器術で大切なことは道具の重さ以上の力を加えないこと、と仰っていたことを思い出したりしました。
いやぁ、それにしても今回の試斬会は、思いがけず本当に学びの多い稽古となりました。
牛乳パック斬り、侮れません!
次の試斬会では、きっと先生らしい斬り!?をお見せできると思います。たぶん…
でんこ師範代、会員のみなさん、ありがとうございました。
お猴
試斬といっても、畳表などを用意するのはなかなか準備も大変ですし場所もないので、当会では基本、牛乳パックを斬ることで太刀筋と刃筋、剣体の一致の確認をおこなっています。
この牛乳パック斬り、実はわたくしちょっと苦手です。
というのも、調子がよい?時はけっこう楽に斬れるのですが、斬れない時は、なんで~っていうくらい斬れなくなります。
一方、でんこ師範代は昔から安定して上手く、というか得意です。
以前は1本の牛乳パックを5回くらい輪切りにして、これ見よがしに私に見せてくれたこともありました。
「試斬は、出来ているかいないかの結果が見える形でハッキリ出るからいいんだよね。」なんてことも言ったりします。
くそぉ~
急な告知だったにもかかわらず、7名が参加。けっこう集まってくれました。
当会では基本の斬りの太刀筋を、斬り素振りと称して普段稽古しています。
いわゆる押切なのですが、この太刀筋は実際に斬れるようになってはじめて、なるほどなあと分かるところがあって、素振りだけしていてもピンとこないところがあります。
この日、結局私は手本らしい手本を見せることができない体たらくで、安定してスパスパ斬るでんこ師範代に指導は任せっきりになってしまいました。トホホ…
参加してくれた会員の中には初めて試斬を体験する方も数名いて、みなさん苦戦していましたが、最後には斬る感覚を数名が体験できました。
会の主催者としては自身の不甲斐なさにけっこう本当に落ち込んだのですが、そうも言っていられないので、師範代と自身の違いを映像で確認、研究することに。
でんこ師範代の斬りを拝見すると、剣先から後ろ足の踵、つま先までが一繋がりとなり、前に突っ込むことなく自然と剣に体が乗っている様子が見て取れました。
対して私の斬りは、一見太刀筋にも大きな遅れや乱れはなく、全身もゆるんでいるのですが、そのゆるみが下半身の居つきとなって、結果全身の繋がりが切れて手振りに近い形になっているのが分かりました。
翌日、自宅で検証すると、ダメダメだった昨日よりはかなり斬る感覚が出てきました。
バシッとかボスッといった撲殺系の斬り?が、パンっという感じで前方に飛びながら斬れる感じになってきました。
それでもまだ、少し速く振ることに頼った無理な感覚があり、でんこ斬りからは遠い感じです。
新調した少し重めの真剣を初めて用いてみましたが、斬ることはできても試斬用の真剣との違いを感じるほどではありません。
そうこうしていると、隣の部屋に居たでんこさんが(うるさいなぁ~)という面持ちでやってきて、ちょっとその新しい真剣で斬らしてみな。とのこと。
お願いします。と手渡すと、重たいねと言いながら、確かに重たそうに2回ほどゆったり素振りをして、それからやっぱりゆったり、フワッと斬りました。
すると、”ふぁさっ”といって音もなく両段された牛乳パックがその場にポトって落ちるじゃないですか!
「え~マジかぁ!いや、ホントに上手いね!!」
思わず叫んでしまい、もう一回お願いします。とリクエストすると、やっぱりフワッ、ふぁさっ、ポトっでした。
この刀だから?いや同じだよ、試斬用のだってそれなりに重いわけだし。とのお言葉。
いやぁ~、自分の工夫は置いておいて、先ずは今目に焼き付けた姿の模倣だと思い直して、剣に委ねてふわっと斬ると、ふぁさっ、まではいかないけれど、ぱさっという感じで斬れました。
これだ!ということで、試斬用の軽めの真剣で斬ってみると、やはりぱさっという感じで斬れました。斬っておきながら、オ~と驚いてしまいました。
最近ご指導を受ける機会のあった尊敬する空手の先生が、武器術で大切なことは道具の重さ以上の力を加えないこと、と仰っていたことを思い出したりしました。
いやぁ、それにしても今回の試斬会は、思いがけず本当に学びの多い稽古となりました。
牛乳パック斬り、侮れません!
次の試斬会では、きっと先生らしい斬り!?をお見せできると思います。たぶん…
でんこ師範代、会員のみなさん、ありがとうございました。
お猴
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