禍を転じて福と為す

2022年01月13日

禍を転じて

 先日の日曜は私個人にとっての二回目の稽古初め?でした。
 練習中に、年末に受傷したふくらはぎの肉離れがまだ痛むな~という感覚はあったものの、他は特に問題はなく、新しい刀の套路(型)の指導を頂いたこともあって、その日は夢中で練習を終えました。
 それで翌日月曜は、また別の稽古会での三回目の稽古初め(笑)の予定だったのですが、昼頃から背中に何やら痛みが出てきました。
 イテテテて…筋肉痛とちょっと違うぞ…これっていわゆるギックリ背中では!?
 早々に心が折れ、三回目の稽古初め参加を断念した私は、それでも「不甲斐なし、心を燃やせ!」などと呟きながら、録画していた『鬼滅の刃劇場版無限列車編』を視聴したのでした…

 私自身、強い痛みに見舞われた際の常として、取りあえず痛みを手っ取り早く取り除こうと、ジタバタと患部を刺激するといった対症療法的な対処をしがちです。それが功を奏することはまずないと経験的に分かってはいるのですが、いざ痛みに襲われると、苦痛に伴う焦燥感や不安感から冷静な対処がなかなかできなくなります。
 年末に似た症状で来院されて、回復に思いの外時間のかかったお客さんの辛そうだった様子が思い出されました。
 過去においてあまりに痛みが強かった時は、信頼している友人の所に駆け込んで調整して頂いていたのですが、やはり整体を本業にしている人間がそれでは「不甲斐なし!心を燃やせ!!」ということで、その日と翌日はジタバタと自己治療。

 少しは落ち着きを取り戻すも大きな進展はなく、痛み自体はピークな状態で、昨日は翡縁会の定例稽古でした。
 受身を取ると、剣を振ると、イテテて…でもまあ思ったよりは動ける。
 この日の稽古では、基礎の手解きに関する指導員のでんこさんの指摘をきっかけに、当会で探求している稽古や技術の本質について再認識するものがあって、禍を転じて福と為すとはこのことかと思ったりしました。
 一事が万事といいますが、自分は何がしたいのかという部分はとても大切です。
 年の初めに、こうした稽古の核心部分について確認ができてよかった。

 そうした流れもあってか、昨晩、ふと体の不具合への対処について閃くものがあって、寝床で実践しつつ就寝。
 今朝、予想というか期待通り、痛みがかなり和らいでいました。七割くらい楽になった感じ。
 寝床でやったことは、丁寧に呼吸する。ただそれだけ。
 全集中!ギックリ背中の呼吸!!壱之型「深呼吸」!!!(笑)
 ではなくて、武術で言えば内功、養生法で言うところの行気を丁寧におこないました。
 こうした伝統技術が内包している知恵の真価の一端をあらためて実感させてもらえて、ああ、やっぱりそうなんだ…と、これこそ禍を転じて福と為すだなぁと感謝の気持ちが湧いてきました。

 今年の年初は、稽古会に参加してくれる方々のそこはかとない熱(笑)に触発されてか、私自身の気づきも多くありがたいです。
 静かに盛り上がっていきましょう!

 お猴


15:06|Permalink